ネット型自動車保険を選ぶとき、「できるだけ保険料を安くしたい」と考えるのは当然です。
ただし、表示された保険料だけを見て補償を削りすぎると、事故のあとで「このケースは対象外だった」「思ったより自己負担が大きかった」と気づくことがあります。
大切なのは、補償をたくさん付けることではありません。自分や家族が実際に車を使う場面を思い浮かべ、必要な補償を残すことです。
ここでは、契約前に確認しておきたい5つのポイントを、具体例と一緒に分かりやすく紹介します。
1.運転する人の範囲は合っていますか?
夫婦だけが運転するつもりで「本人・配偶者限定」にしていたものの、帰省した子どもに運転を代わってもらい、そのときに事故を起こしてしまった――。
運転した人が契約の補償範囲に入っていなければ、保険金が支払われない可能性があります。年齢条件や運転者限定を付けると保険料を抑えられますが、実際に運転する人と条件が合っていることが大前提です。日本損害保険協会も、年齢条件は運転する人のうち最も若い人に合わせ、運転者限定と一緒に設定するときは両方の条件を満たす必要があると案内しています。
ここを確認
- 子どもや親が運転することはないか
- 友人や知人に運転を代わってもらう可能性はないか
- 同居・別居など、家族の状況が契約時から変わっていないか
「たぶん運転しない」ではなく、年に一度でも運転する可能性がある人を考えてみましょう。
2.対人・対物賠償は十分ですか?
こんな場面を想像してください
駐車場で高級車にぶつけた、ブレーキ操作を誤って店舗に衝突した、事故で商品や設備まで壊してしまった――。
対物事故は、相手の車の修理代だけとは限りません。店舗や設備などを壊せば、賠償額が思った以上に大きくなる可能性があります。また、人を死亡させたり重い後遺障害を負わせたりした事故では、賠償額が億単位になる例もあります。日本損害保険協会は、対人・対物賠償を無制限で契約することを勧めています。
ここを確認
- 対人賠償が無制限になっているか
- 対物賠償が無制限になっているか
- 対物賠償の免責金額が設定されていないか
保険料を抑えるために、相手への賠償を小さくするのは避けたいところです。
3.あなたや同乗者のケガに備えられていますか?
こんな場面を想像してください
家族を乗せているときに事故を起こし、自分にも過失があった。家族は入院し、自分も仕事を休むことになった――。
相手への賠償を手厚くしていても、それだけでは自分や同乗者の治療費、休業による損害などへの備えは十分とはいえません。
人身傷害保険は、契約で決めた保険金額の範囲内で、約款に基づいて計算された治療費や休業損害などを、自分の過失による減額をせずに受け取れる補償です。契約によっては、契約車両に乗っているときだけでなく、歩行中やほかの車に乗っているときの自動車事故まで対象になるタイプもあります。
ここを確認
- 人身傷害の保険金額はいくらか
- 契約車両に乗っているときだけの補償か
- 家族の収入や生活費を考えた金額になっているか
「医療保険に入っているから大丈夫」と決めつけず、事故で働けない期間の生活費まで考えてみましょう。
4.車両保険の補償範囲と免責金額を理解していますか?
こんな場面を想像してください
車の修理代が35万円かかったものの、車両保険の免責金額が10万円に設定されていたため、原則として10万円は自分で負担することになった――。
免責金額とは、事故の際に契約者が自己負担する金額です。免責を高くすると保険料は安くなりますが、事故時の持ち出しは増えます。また、補償範囲を限定した車両保険では、自損事故やあて逃げなどが対象外になる場合があります。
ここを確認
- 1回目と2回目以降の免責金額はいくらか
- 自損事故やあて逃げも補償されるか
- 車が全損したとき、買い替えに必要な金額を用意できるか
車両保険を付けるかどうかだけでなく、どんな事故まで対象で、いくら自己負担するのかまで確認することが大切です。
5.特約と事故後の支援を確認しましたか?
こんな場面を想像してください
信号待ちで追突され、自分に過失がない「もらい事故」になった。ところが、自分の保険会社には相手との示談交渉を任せられず、自分で相手側と話を進めることになった――。
このようなときに役立つのが弁護士費用特約です。弁護士への相談や損害賠償請求を依頼する費用などを補償します。
ほかにも、自転車で歩行者にケガをさせたときなどに役立つ個人賠償責任特約や、事故・故障時のレッカー移動、代車費用などの支援があります。ただし、特約やサービスの名称、補償範囲、利用条件は保険会社によって異なります。
ここを確認
- 弁護士費用特約が付いているか
- 個人賠償責任特約が、火災保険などと重複していないか
- レッカーの無料範囲や搬送先の条件はどうなっているか
- 修理中の代車費用が補償されるか
事故直後は、保険金だけでなく「誰が助けてくれるか」も大切な比較ポイントです。
まとめ|安さではなく「事故のときに困らない内容」で選ぼう
自動車保険は、保険料が安ければ得とは限りません。
数千円を節約できても、事故のときに数万円、数十万円の自己負担が発生したり、必要な補償が使えなかったりすれば、安くした意味がなくなってしまいます。
見積りを比較するときは、次の5つを同じ条件にそろえて確認しましょう。
- 運転する人の範囲
- 相手への賠償
- 自分と同乗者のケガ
- 愛車の損害
- 特約と事故後の支援
保険料を下げるなら、まず「この補償を外したら、事故のときに自分はいくら払えるだろう?」と考えてみてください。
必要な補償を残したうえで複数社の見積りを比べることが、安心と節約を両立する近道です。
※補償内容や特約の名称、支払条件は保険会社・商品によって異なります。契約前に見積書、重要事項説明書、約款などで必ずご確認ください。
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